表題を読めばそれとなくわかると思いますが定義です。
利用状況下で人への潜在的リスクを軽減する度合
ここでの対象はあくまでも「人」です。
システム/ソフトウェアの利用により人の生命や健康状態に害を与えるような事象を発生させない、あるいは仮に発生しても最小限に食い止めることができるようにしたいものですね。
以前の書き込みでは「放射線照射システムの誤動作→必要以上の放射線を浴びる/異なる箇所に照射してしまう」を例として上げましたが、他の例では、ランニングマシンのような健康増進のための機器に組み込まれたソフトウェアが誤動作(例:急に止まる・勝手にどんどん速くなる、など)して転倒事故などが起きると思わぬけがをする可能性があります。
さらに別の例では、緊急地震警報や避難誘導連絡のシステムが適切に動作しない場合、そもそも住民への安全が保証されなくなってしまいます。また、車載システムの誤動作で事故が起きると(人(施設・設備に対しても))同じことになりえます。
そして他の特性でも同じですが、”利用状況下で”ということを見逃さないようにしてください。
利用状況(コンテキスト)とは、システムやソフトウェアを利用する場合、どのような人(年齢・性別・嗜好・リテラシーレベル・健康状態など)、場所(国・地域・田舎/都会・屋内/屋外・海上/地上、など)、環境(天候・気温・湿度・明暗、など)、用途や局面で使うのか?ということです。
せっかく苦労してシステム/ソフトウェアを提供しても、コンテキストを考慮しないと(ある利用状況下では)役立たなくなったり、利用者に被害を及ぼしかねないので注意が必要となります。
以前このBlogでご紹介した書籍「Teamの力(西條剛快著)」の”方法の原理”をシステム/ソフトウェアに置き換えてみます。
【方法の原理】
方法の有効性は状況と目的により変化する
↓
(”方法”を”システム/ソフトウェア”と読み替え)
↓
【システム/ソフトウェアの原理】
システム/ソフトウェアの有効性は状況と目的により変化する
つまり、システム/ソフトウェアが目指す効果(有効性)を発揮する(その目的を達成する)ためには、さまざまな状況下での利用を想定してシステム/ソフトウェアを作り込むことが求められる、ということになります。
なお、システム/ソフトウェアのしかけ/しくみそのもので”すべての状況下”でのリスク対応を取る必要はありません。
取扱説明書などにシステム/ソフトウェアでは対応できない状況下での利用を禁止・制限する注意書きを載せるなどの対策を取ることもありえます。
利用状況の重要性をしっかり把握して、システム/ソフトウェアの効果を充分に発揮しつつ、リスクは最小限としたいものですね。
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