定義はこうなっています。
製品、システムが定められた利用状況下で利用された時のユーザニーズに対する満足の度合。
利用者の状況下(コンテキスト)で実際にシステム/ソフトウェアを利用し、有効性、効率性、リスク回避性を獲得した結果、満足したかを把握するものですね。
この特性には副特性がたくさんあります。
一つずつ、例で説明していきます。
□目的達成度(Usefulness)
システムを利用する目標(ふるまいや最終結果)に対して実際に得た結果への満足の度合
現時点での公式な日本語訳は「実用性」だそうです。
「目的達成度」は他特定と同じような紛らわしい表現と感じていました。「実用性」の方がしっくりきます。
電車などの改札システムや企業内のセキュリティゲートなどで、カードをタッチしているのに通過できない、反応が変に遅い、意味不明な動作をする、などの経験はありませんか?
その局面で感じることは「どうして(ちゃんとタッチしているのに)通過できないの!」などの不満足感情だと思います。
うしろの利用者も前進しないので迷惑しますし、しまいには「おまえのせいで面倒なことに!」なんて顔で横をすり抜けて行ったり。「え~!俺のせいじゃないのに!」なんて思ってカードをよく見ると「違うカードだったww」(大笑)
これらのシステムは、通常利用時はスムーズに動作しないと役をなさない(通勤ラッシュ時に改札ゲートがのろのろ動くなんてありえません)ですし、適切なカードをタッチした際はスムーズな動作を(われわれは暗に)求めています。
一方、駅員さんや企業の立場では、不適切なカードをタッチされた際にはゲートを通過できないようになることを実現するためにもシステムを導入しています。上記の例では異なるカードをタッチしてもゲートが開かないのが正解なのです。
このように、利用者(今回の例では、ゲートを通過する人、駅員・企業)のニーズが実現され、それに満足する度合を指しています。
□信用(Trust)
製品、システムが想定されたふるまいをする能力の度合
この副特性は現時点での公式な日本語訳も「信用」だそうです。
実際には15万円の口座残金があるのにATMで残高参照をすると10万円と表示される。あるいは、振込済みなのに振込先口座にお金が入っていない、など金融関連システムが、実際の状態と異なる表示・動作や誤った処理をしてしまうのはあってはならないことです。
このように、システム/ソフトウェアのふるまいが、利用者が想定したとおりになることへの(信用)度合を指しています。
□喜び(Pleasure)
個人のニーズを遂行することから喜びを得る度合
現時点での公式な日本語訳は「快感性」だそうですが、個人的にはちょっと違和感がありました。
最近はどこのお店でもポイントカードを取り扱っていますね。航空会社のマイレージカードも同じです。
活用した分だけポイントが貯まる、特定の日にそのカードを見せると5%OFFになる、などのサービス(システム)が提供されています。
このように、システム/ソフトウェアの利用で何かのメリットや特典を獲得し、うれしいと感じる度合を指しています。
□安らぎ(Comfort)
身体的安らぎに対する満足度合
現時点での公式な日本語訳は「快適性」だそうです。
以前、実家の母にマッサージチェアを送りました。
なので帰省すると毎日マッサージチェアに座ります。(笑)
いろいろなモード(全身・頭~肩・背中・腰・足など)があり、コリのある箇所を中心にグリグリしてもらいます。
終わるとカラダや肩がが軽くなったり、気持ちよくて眠くなったりしますよね。
このようにシステム/ソフトウェアの利用による身体的な安らぎの度合を指しています。
以上が満足性の内容ですが、たくさん副特性がありますね。
満足にもいろいろある、ということでしょうか。
これでそれぞれの特性についての解説は終わりです。
次回はサマリ情報をお知らせしてこのシリーズを締めくくりたいと思います。
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