オランダSogeti社が開発したテストプロセス改善モデルで、主に欧州で活用されているとのことです。
2015年9月20日に『TPI NEXT® ビジネス主導のテストプロセス改善』が発刊され、国内で一気に認知度が上がりました。
■基本情報
情報はここにあります。
■モデルフレーム
テストプロセスの構成要素を「キーエリア」と呼び、それぞれのキーエリアに成熟度レベルが4段階あります。
<成熟度レベル>
成熟度レベルには
初期→コントロール→効率化→最適化
の4段階があります。しかし、初期レベルはレベル名のみで具体的な内容はありません。
つまり、具体的な内容を伴うのはコントロールレベル以降の3段階で、コントロールレベルの内容がどれも実現できていない場合は”初期レベルである”と判定されます。
初期段階からまず取り組むべきなのは、それぞれのキーエリアのコントロールレベルで定義されたチェックポイントです。
チェックポイントは、それぞれのキーエリアに期待されていることであり、Yes/Noで判定することを想定しています。
これらを確実に実践できるようになる(Yesと言える)こと=すべてできるようになったら”コントロールレベル”の達成です。
その次は”効率化レベル”を目指し、さらにその先に”最適化レベル”が待っている、というシナリオです。
キーエリアごとに成熟度レベルが設定されている・・・・・それって(キーエリアとしての)”能力レベル”ではないのか?という個人的な疑問がありますがまだ解消されていません。
※書籍では、「各キーエリアには複数の成熟度レベルがあり、キーエリアの組合せによってテストプロセス全体の成熟度が定義できる」とあります。
<キーエリア>
テストプロセスの構成要素をキーエリアと呼んでいます。
全部で16あり、それぞれのキーエリアは特定のグループに属しています。
グループとは、テストプロセス構成要素の大枠の分類名で「SR:Stakeholder Relation 利害関係者との関係」「TM:Test Management テスト管理」「TP:Test Profession テスト業務の専門性」の3つがあります。
また、キーエリアの題名の工夫により、テストの実効性・有効性を高めるための大事なポイントをわかりやすく提示しています。
テストコンサル会社が立ち上げたモデルとのことなので、その実績から抽出されたポイントをまとめた結果なのだと思います。
プロセス、というととかく手順・手続きばかりが取り上げられがちですが、「利害関係者のコミットメント」や「関与の度合い」「コミュニケーション」「報告」「手法の実践」「テスト担当者のプロ意識」などを前面に押し出し、これが有効性を高めるために重要だ、ということを戦略的に伝えています。
■ビジネス主導(Business Driven Test Process Improvement = BDTPI)
モデルに適合させる(合わせる)ことは、対象領域を全体的に改善していく傾向を強め、明確な効果がわかりにくく、手段(モデル適合)そのものが目的化しがちです。
TPI Nextでは、ビジネス目的を達成するためのテストプロセス改善を実現するためのしかけが用意されています。
ビジネス主導要因の特定
→ビジネスゴールをITゴールに変換
→ITゴールを達成するための重要なキーエリア、重要でないキーエリアの特定
→チェックポイントクラスタ配置の再調整
モデル適合を目指す場合にも使えるようにしつつ、ビジネス目的達成を目指す場合にも使えるような”しかけ”がある。
これは、他のモデルと異なる大きな特長だと思います。
(その2に続く)
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