SaPID Bootcamp 2016 Report
2016.3.5~6にマホロバマインズ三浦で初開催したSaPID Bootcamp 2016の模様をレポートします。
参考1:SaPIDとは? こちら↓です。
http://www.software-quasol.com/sapid2-0/
参考2:SaPID Bootcamp開催要項はこちら↓です。
・写真1:第1回となるSaPID Bootcampは神奈川県の三浦海岸で開催しました。
”SaPIDを思い切り実践し、体感する場を作りたい!”→実業務とは違う環境で→温泉泊まり込み合宿形式で!→Bootcamp!という流れで決めました。会場のある京浜急行三浦海岸駅ではなんと桜が満開!で「桜祭り」が開催されていました。この日の朝、北海道ではマイナス13℃だったと聞きましたので驚きの光景です!
・写真2:開始時間前に三浦海岸の砂浜に行ってみました。あたたかくてウィンドーサーフィンをしてる人も。翌日には「三浦市民国際マラソン」が開催されるとあって、その準備も急ピッチで行われていました。
・写真3~4:開催会場は温泉リゾートホテル「マホロバマインズ三浦」です。ちょっとバブリーな感じの建物で、中は広々。今回はこの建物(本館)に宿泊し、実際のワークは隣にあるアネックスの研修会場で行いました。
・写真5:施設の入り口には大きなマグロのオブジェがお出迎え! 隣駅にある三浦漁港はマグロの水揚げで有名な港だそうです。
今回は、北海道、東北、首都圏などから組込み系技術者、アプリ開発者、品質保証担当者、プロセス改善コンサルタント、などの職種の方たち12人に受講いただきました。 このSaPID Bootcampは、講師からのフィードバックが行き渡らないことがないように、受講者数を12名限定としました。
・写真6~8:PM1:00、いよいよSaPID Bootcampが始まりました。SaPIDの基礎は卒業している(最低限書籍「ソフトウェアプロセス改善手法SaPID入門」を読破し、内容を把握している)方が対象なので、SaPIDのSTAGE-STEPの簡単なおさらいとファシリテーターのあり方を解説したあと、早速個人ワークへ突入。
SaPID Bootcampでは、自分の役割や仕事を”○○サービス”と見立ててPersonal SaPIDを実践します。受講者が自ら持つ問題点をカードに記載し、その内容を精査して、構造化します。そしてその過程で、ペアになったお二人で交互に内容を確認し、最終的に両者(他者)が同じ認識に立てる内容に仕上げていきます。
さらに、節目節目で”ペアふりかえり”を行い、問題分析~解決実践とファシリテーション実践の両面でできたこと、できなかったこと、次にどうするとよいかをまとめて次の実践に活かします。
つまり、自分の仕事を自律的に改善しながら、同時並行で相手の改善を支援していことにより、自律改善実践力と改善支援ファシリテーション力の両方を高めるためのワークとなっています。
節目で質疑応答を挟みながら進めましたが、いろいろな方からバシバシ鋭い質問が飛び交いました。
みなさん、真剣です!
【SaPID Bootcampのコンセプト】
自らが変化の起点となる。知識の蓄積よりも実践とふりかえりの継続。それがSaPIDで最も重視していることの一つです。
まずは自分でSaPIDを使いこなして成果を上げるのが第一歩となります。
それがなければ他者への的確な支援やファシリテーションもできません。
そこでSaPID Bootcampでは、自らの仕事を継続して見直すための機会=Personal SaPIDで自分改善計画立案までを実践し、そのまま持ち帰って実務で活用してもらいます。
・写真9~10:1日目のワークも終わり、チェックインして夕食です!まるで学校のクラスの給食のようなノリで「いた~だきま~す!」。
疲れた頭とカラダに、豪華な食事がうれしいです! 大食いの受講者さんがおかわりを連発。(笑) おかずが多種多様で、私はおかわりなしでもお腹いっぱいでした。
・写真11~12:食事のあとは部屋に戻り、自由時間です。
宿泊部屋は、このように和室と洋室、就寝部屋などに分かれていて1部屋に4~5名が泊まれるほど広いお部屋でした。
受講者のみなさんはそれぞれ温泉に。講師は夜風に当たりながら1時間ほど三浦海岸をランニングをしてきました。
その後、みんなで部屋に集り、ある受講者さんの問題構造を前に問題の捉え方などを議論。結局、夜中まで続きました。
このように、自由時間の中でもSaPIDのノウハウを伝授していきます。
・写真13:2日目の朝、宿泊した部屋からの眺めです。
カーテンを開けると海が広がっていて気持ちがいい。
朝は晴れていましたが、そのあと雲が多くなり、途中から弱い雨が降ったりやんだりの天気となりました。
浜辺では三浦市民国際マラソンが開催されるため、マホロバマインズ三浦のロビーは、朝からランナーで埋め尽くされていました。
・写真14:2日目の朝食。バイキング形式ですが、種類が沢山あり過ぎてどれにするか困るほどでした。ちょっと欲張り過ぎたかも。(笑)
・写真15~16:午前中のワーク後の昼食。マグロで有名な三浦なので、みんなでマグロ丼です!
・写真17:2日目朝に講師が急遽立ち上げた問題構造図です。
1日目に講師が解説した「SaPIDファシリテータ―のあり方」の中で、ファシリテータが持つべき主な特性を示す事例として”明子姉さん”(熱血野球漫画「巨人の星」主人公の姉)を紹介したところ、その漫画自体を知らない世代の受講者(ほとんどの受講者)が「???(それって何のこと?)」となるトラブルが発生。(笑)
この件は「まさかの!ジェネレーションギャップ問題」と命名されました。(大笑)
あまりにおいしいネタだったので、2日目朝に急遽それを「解決すべき問題」と捉えて問題構造化したものを用意し、2日目の冒頭で解説しました。その際のスライドがこちらです。
詳細は受講者にしかわからないと思いますが記念に掲載しておきます。
このようにSaPIDでは「知っている」だけでなく、失敗を契機に「自らも継続実践し、成果を高め続ける=それこそが自律運営」を重視しています。講師自ら率先垂範です!(苦笑)
・写真18:2日目のワークを開始。ワーク会場となったアネックスからも、ベランダの向こうに三浦海岸が一望できます。
・写真19:受講者さんからのたくさんの差し入れをいただきました!ありがとうございます!
写真はその一つ”本場のウーロン茶”。みんなでいただきました。
乾燥した茶葉にお湯を入れると猛烈に膨らんで・・・・・・茶柱立ちすぎ!(笑) これは超縁起がいい!
・写真20:それぞれの問題点が精査され、徐々に構造化へ。問題点の表現が整わないと、構造化が難しくなり、結果として問題の解決も難しくなります。また、個別詳細と全体、両面の理解と納得が決め手になるため、わかりやすさ、見やすさも重要です。文字数や付箋色と文字色の使い方なども大事になります。そろそろ構造化に移れるかな?
写真21:2日目で構造化し、”STEP6:改善目標の検討・決定”までを実践して終了。修了者にはこのような「修了証」をお渡ししました。
写真22:今回のBootcampを最も盛り上げてくれた受講者FさんにMVPとしてホテルの売店に売っている”カレーラムネ(謎)”を贈呈し、ベランダで海を見ながら一気に飲み干していただきました!(すばらしい飲みっぷり!)
写真23:最後に全員で記念写真を撮りました。受講者のみなさんのおかげで、とても楽しい、そして充実したワークになりました。
また講師としても貴重な情報をたくさんいただきました。本当にありがとうございました!
■受講者アンケートの結果
参考までに、受講者のみなさんが終了直後に書いてくれたアンケート結果を掲載します。
<受講満足度> 91point(100point満点中)
<こういうところがよかった系>
・実際にやってみた結果にすぐフィードバックしてもらえる環境がよかったです。
・実際に手を動かしていくことで、本だけでは得られない発見がたくさんありました!
・「まさかの!ジェネレーションギャップ問題」の例はすごくよかったです。視野が広がった気がしました。
・自分自身でやってもうまく組織に根付かなかった理由が今回のBootcampでわかりました。
・感じたことや、よりリアルにすることが不足していたことが理解できました。
・小さな改善を積み重ねることが重要ということに気づきました。
・普段考えているようで(意識的に)考えていないことが目に見えるようになって、改めて気づいたことがたくさんありました。
・いつも「うーん」と悩んでいること達が、他の方に共感してもらえる形にできたことが面白かったです。
・見る、聞く、知る のと、やってみる のは大違いです。その違いを体感できることが将来のプラスになると思います。
・「ファシリテート」をして「ふりかえり」をする、というのが強力でした。
・このノウハウは、特にマネージャが学ぶべきだと思った。
・SaPID本を読んだ上で感じた疑問は、著者による説明、解説を納得できるまで聞くことができて確実に解消しました。
・本気で学ぶ場として最高だと思います。
・アットホームな雰囲気で和気藹々とできたのがよかった。
・自分の仕事の問題構造と改善案について気づきを得たい人におススメです。
・ご飯がおいしかった。気持ち的にのんびりできた。
・問題点洗い出し方法のコツが少しつかめた気がします。
何かうまくいっていないな、と思うことには必ず問題点が隠れていて一つ一つ考察するのが面白くなりました。
・自分の状況や頭の中を整理できるのですごくすっきりします。
・世の中に改善手法はたくさんあるがSaPIDのみが人間面にフォーカスし、あわせている。
・SaPIDを実践できて非常に良かった。本質がわかった気がします。
モデルベースの改善がうまくいかないところに向いていると思います。
そして合意形成のツールとして優れていると思います。
・ペアになった方からのコメントは参考になりました。
・説明に必要だけど抜けている部分がある部分に気づけました。
合宿なので食事や他の時間にいろんな話しができてよかったです。
会社で他の方と話をするときに、これをいつも作るのがあたり前になったらいいなと思いました。
・しっかり体得するために、次回があればまた受講したいです。
<提案や要望など>
・もう少し時間があるとうれしい。
・ところどころで全体への発表があると面白いかも。
・他の人の内容を見る、聞く機会があればさらによいと思います。
■主催者&講師としての感想
初めての試みにもかかわらず、受講者のみなさんに助けられながら何とか終了することができてホッとしています。
笑いと議論が絶えない、楽しい中にも真剣な取り組みができたのは、受講者のみなさんが支えてくれたからこその結果だと思います。
本当にありがとうございました。
コース設計時にいろいろと考えた狙いはほぼ達成したものの、「まさかの!」思わぬ事態も起きました。(笑)
とはいえ、「失敗から学ぶ/ただでは起きない」実践方法として紹介することができ、より臨場感を増せたのかもしれないなと感じています。
アンケートでは”もう少し時間が欲しい”、という意見をたくさんいただきました。
(「時間が欲しい」=「時間が不足している」は”問題”ではありませんよね? →受講者のみなさん(笑))
ちゃんと完結したい、完成させたいという気持ちの表れだと思いますが、うまくいかないことから次にどうつなげるのか?も体感いただく場ですので、是非このあとの実務に活かしていただければと思います。
私の経験上、下手に最初からうまくいくと、大事なポイントを把握せずに”できるようになった!簡単だ!”と錯覚してしまい、その先に挫折する(うまくいかなくて途中で実践をやめてしまう)ことが多いです。
失敗するからこそ学びが深くなることを頭の片隅に置きつつこのあとも実践ください。
受講者のみなさんの活躍を願っています!
■今後の見直し事項など
・「まさかの!ジェネレーションギャップ問題」の解消(笑) →別の「見守りキャラ」を探します。(大笑)
・全員の実践結果を共有する場を追加する。
・SaPIDで重視している「実践継続」を促すために、一度受講いただいた方の再受講時は実費のみの参加を可能にします。
(再受講者数の制限は付与させていただきます)
■最後に
SaPID Bootcampのレポートは以上です。
出来る限り当日の臨場感をそのままお伝えしようとしたつもりですがいかがでしたでしょうか?
受講者だけでなく、運営する側も一体となる「学びと実践の場」。それがSaPID Bootcampです。
当初の想定よりも価値が高い場を提供できることがわかりましたので、2016年度は関東方面だけでなく、他の地域でも開催する予定です。
日程等が決まればご案内しますので、興味があれば、そしてご都合がつけば参加をご検討ください。
また、ある一定の条件を満たせばみなさんのニーズに基づく個別開催も可能です。ご相談を含め、お気軽にご連絡くださいね。