2018/11/1に、デンソークリエイト様(名古屋)で、2回目となる未来予想型チーム運営ワークショップを開催しました。
その模様をレポートします。
今回も株式会社デンソークリエイト様(名古屋)の会議室にて、1回目とは別の選抜された12名の方々を対象にワークショップを実施しました。デンソークリエイト様は、これから会社を先導する人材を継続的に育成する教育熱心な会社さんと感じます。
このワークは、受講者さんにしっかりワークを体感してほしいこと+私たちからのフィードバックをできるだけ一人ひとりに直接提供できるようにするために、毎回募集人数は12名限定としています。
今回も、折り紙を使ったワークです。
写真にあるように、6種類の折り紙を1セットとして納品してほしいと要望があったと想定し、目標達成数の折り紙を折ってもらいます。営業から、無茶振りで12セット納品するって言ってしまったという想定です。(^^;)
4名のチームを3つつくり、各チームごとに、時間内に4セット揃えることを目標に納品物を作成してもらい、最終的には全体で12セット揃えば目標達成。その場合はボーナス(北海道から買ってきたチョコレート)が支給されることになっています。
実際に折る時間は、1イテレーション5分間で3セット回し、全体で15分と限られていて、折り紙に慣れていない人が折ると時間内に目標達成に至らない可能性があります。しかし、今回の未来予想型チーム運営ワークショップでは、目標達成を阻害する可能性のある要因(リスク)を洗い出して構造化し、チームでそのリスクを共有し、対策を打ちながら進め、短いイテレーションで作業をふりかえりながらリスクを潰していくことで、予定時間内に目標を達成できるようにします。
ふりかえりでは、特定したリスクは適切だったのか、対策が有効だったか?次にどんな施策を打つか?などを確認しながら進めます。細かくふりかえることで、効果を実感しながら進めることができるようになります。また、未来予想図と名づけたリスクの問題構造図も随時アップデートいていくことで、常に現状どんなリスクがあるのかを明確にし、状況をチーム内で共有することができます。リスクは常に変化するものなので、一度整理して終わるのではなく、常にアップデートしていく必要があります。
当ワークでは、それを構造化し、アップデートしながら進めますので、チームのメンバー全員が現状のリスクの構造を把握しやすくなるのです。
折り紙を折るプロジェクトとシステム開発は関係ないように見えますが、不確実性を伴う、と言う意味では同じです。
今後発生するかもしれないリスクを整理して狙ったリスクに対して施策を打ちそれが有効かどうか細かくふりかえりながら納期に間に合うように、プロジェクトを進める。参加者のみなさんに、今後そのようにプロジェクトを進めていけるようになってほしいというのが、このワークの狙いです。
ワークに入る前に、折り紙の練習として恒例の折鶴を折ってもらいました。これは、折り紙の練習のほか、各チーム折り紙作成能力を把握し、見積もりやリスクの洗い出しに使うといった目的もあります。
完成までそれぞれ3分台~8分台と、時間差はありましたが、皆さんの折鶴を見ると、過去にないクオリティの高い鶴ばかりでした。器用な方が多いですね(^^)
そして、チーム内で自己紹介と各個人の今回のワークの目標や心配事などを共有していただき、チーム名を決めてもらいました。
みなさん、「突発的に発生する出来事に対して、どうリスクマネジメントしていくかを学びたい」「リスクの見積もりをうまくできるようになりたい」など、みなさんそれぞれ目標を持って参加されているようでした。一方で、心配事としては「折り紙の経験がない」といった定番の心配事のほか、「品質が心配」といった意見も出ていました。普段から品質を気にかけている会社ゆえ、出てくる心配事なのだろうと感じました。チーム名は「チームカレー」「くるまやさんチーム」「チームしゃちほこ」にそれぞれ決まり、次のステップへ進みました。
ちなみに、何セットできると思うか?この時点での皆さんの予想は以下のとおりでした。
0セット :
1セット :
2セット :
3セット :
4セット :
5セット :
0人
2人
7人
3人
0人
0人
チーム名が決まったら、次は未来予想図の作成です。
目標の折り紙4セットを時間内に折るにあたって、みなさんが思う現状の問題点やこれから起こりうるリスクを洗い出し、構造化して未来予想図を作ります!
この未来予想図は、1つのイテレーションが終わるたびに更新し、新しく発生したリスクを追加したり、解決できた問題を削除したりして、構造図を書き直していきます。
未来予想図を作ったら、その中で、『自分たちで解決できそうでつぶしておくとともっとも効果がありそうなリスク』を選び、そのリスクに対して解決策を出します。
今回おもしろいなと思ったのが、どのチームも解決すべき目標は「折り方がわからない」といったような、似たようなリスクをターゲットとして選んでいたのですが、それに対して考えた対応策が全グループとも違ったことです。まだ1度もトライしていないため、リスクが少々抽象的な表現になっているのが原因の1つかも知れません。
いよいよ、1回目の折り紙トライです。
結果は以下のとおりでした。
チームカレー :
くるまやさんチーム :
チームしゃちほこ :
3枚(0セット)
0枚(0セット)
3枚(0セット)
5分間折った後、すぐに今回の結果についてふりかえります。
自分たちが今回とった対策は、有効だったか?他にどんなところに問題があったか?などなど、ふりかえります。
実際やってみると、実はそんなに問題ではなかったところ、新しい問題などがいろいろと見えてきます。
ふりかえりの結果から、未来予想図を更新して、次に対策を講じるリスクを決めて、またその対策を検討します。
このように、
「目標を決めて対応策を検討する」→「折り紙を折る」→「ふりかえる」→「未来予想図を更新する」
を後2回繰り返します。
左の写真では、黄緑色の付箋がふりかえりの結果追加されています。構造を大幅に作り直したチームもありました。
また、回数を重ねるごとに、ぼんやりしていたリスクがより具体的になるので、リスクをより具体的に書き換えることで、対応策が考えやすくなります。
例)「折り方がわからない」→「バラの手順××番以降の降り方がわからない」など
2イテレーション終えたところで結果は、全チームまだ1セットも完成してない状態でした。
チームカレー :
くるまやさんチーム :
チームしゃちほこ :
9枚(0セット)
7枚(0セット)
9枚(0セット)
しかし3イテレーションが完了した最終結果はというと・・・
4セット揃ったのが1チーム、3セット揃ったのが2チーム
でした。
みなさん、最後ものすごい追い上げでした!全体で12セットには届かなかったものの、最初の見積もりよりもかなり多く折れた結果となりました。
それと、今回感じたのはみなさん非常に丁寧に品質の良い結果となっていました。
受講者のみなさま、お疲れ様でした(^_^)
デンソークリエイト様では、今回のワークを実務につなげるための考察レポート提出があるなど、受講後のフォローもしっかりと企画されています。社員の人材育成に非常に熱心な会社であると感じました。
今回のワークを、ぜひ実務にお役立てください!
■受講者の評価結果と感想
ワーク終了後の受講者アンケート結果を(氏名を除きそのまま)示します。
今回もよい評価をいただき企画・開催する側として素直にうれしいです。
ありがとうございました。
・理解度(全受講者評価結果の平均) 100点満点中: 85点
・有用性(全受講者評価結果の平均) 100点満点中: 77点
・満足度(全受講者評価結果の平均) 100点満点中: 83点
※評価結果は5点満点評価で回答いただいたものを100点満点換算で表現しています。
<感想> ※コメントを記載いただいた方の分をすべて掲載
1.リスクの具体化については、明日からでも実施していきたいと思います。
2.シェンロンカードの使い方が分からない(どこまで使えるのか)。
3.・わかりやすく、演習も楽しくできました。
・ふせんをビニール袋に貼ってメモするのは斬新でしたが、書きにくいです・・・